Suno AI 音楽生成アプリが凄い!ビジネスで活かすには?著作権は?

Suno という音楽を作ってくれる生成AIにたまたま出会って使ってみたら想像以上に凄かった!

ということもあり、ノリで社歌?仕事に関係する曲を作ってみました(笑)
それがこちら😊

歌詞の内容はさておき😅
歌い方、曲相、かなりうまくできていませんか?

今回はこのような曲をどのように作っていたのか。
作られた曲はどこまで自由に使ってよいのか、ビジネスへの活用方法など、思いついたことをお伝えいたします。

Suno AIについて

Suno AI (スノ エーアイ)または Suno(スノ)と呼びます。

https://suno.com/about
こちらによると、アメリカマサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とする音楽家とAIの専門家チームにより構成されている企業で、2023年4月には音声合成の生成AIモデルをオープンソースで公開。
2023年12月にはウェブ版、およびMicrosoft CopilotプラグインとしてMicrosoftと提携し広く使い始めれました。

2024年11月、この記事を書いている時点では、バージョン3.5がリリースされより精度の高い楽曲を作れるようになっています。

Suno AIで楽曲をつくる手順

まずは Suno サイト にアクセスしてアカウントを作りましょう。

画面左下の「Sign In」から入ります。

アカウントの作成画面が開きます。Apple,Discord,Google,Microsoftアカウントをお持ちであればそれを使ってアカウントを作るのが手っ取り早いでしょう。
または電話番号を使ってアカウントを作ることもできるようです。私はGoogleアカウントを使ってSuno アカウントを作りログインしました。

楽曲作りの第一歩は、依頼文を書いて作ること

ログインしたら早速楽曲を作りましょう!

画面左にある「Create」メニューを選び、「Song description」のところに何か歌ってほしい内容を chatGPTと同じように入れていきます。冒頭で作った曲でいえば
「J-POPで明るくアップテンポで、応援ソングを作ってください。歌い手はウェブ開発を依頼した人、ウェブのことには詳しくない、でも事業拡大にウェブは必要と思っている人。依頼先を探して最初は不安で大変だったけど最後うまくいって皆で喜んだ。ありがとう」的なことを200文字以内で書くわけです。
書いたら「Create」ボタンを押すだけ!
簡単ですよね😊

生成速度はとても早く、10秒もすれば冒頭部分は出来上がっています。生成中も音楽を聴くことはできますので、もし冒頭から気に入らない、ということであれば途中でゴミ箱行きもできます。

1回の Createで男性ボーカルと女性ボーカルの2パターン作ってくれる印象ですが、ここは基本お任せですね。

まずはここから試してみましょう。

生成された楽曲をもとに修正をしましょう

生成された楽曲には、音楽のジャンルや歌詞、タイトルといった情報が含まれます。
上で提示した楽曲は次のリンクで歌詞などみることができます。

未来を紡ぐ by @enpcservice | Suno

こちらはあれこれ編集した後のものですが、最初はすべてお任せなので、気に入らないところも出てくると思います。

そうしたら次に行うことは、「Custom」モードによる作曲です。

画面上部にある「Custom」トグルスイッチをONにします。するとその下の画面が切り替わります。

そこにあれこれ入れていくわけです。
英語ですので、上から順に簡単に説明します。

「Lyrics」(歌詞)

ここには文字通り歌詞を入れます。
イチから歌詞を書くと大変なので、最初にお任せで生成した歌詞をここに貼り付けてから、部分的に直していく、ということをすると簡単です。
韻を踏むとか、文字数を合わせるとか、そういうのをすると本当はよいのでしょうが、大丈夫です、そこはSuno AIがうまく合わせて歌ってくれます。

歌ってくれるのですが、たまに漢字や英文字の読み間違えがあるので、その場合はカナで書くとよいでしょう。

また、生成された歌詞中にある[Verse],[Verse2],[Verse3]‥,[Chorus],[Bridge] といった記号がありますが、これは全体の曲相を変えるのに役立ちます。

[Verse1][Verse2]というのは、いわゆるAメロ、Bメロ、といったもので、サビに入るまでの導入部分になります。

[Chorus]はサビ。歌の中で繰り返される主要な部分で、タイトルを含む重要な要素ですね。

[Bridge]はAメロ、Bメロといった導入部分からサビにつなぐための橋渡し的なところ。

このようなものが自動で生成されまして、私個人の感想としてはここは変える必要はないかな、とは思いますが、全体の構成を変えたい場合はこの部分も指示しなおしてみるとよいかもしれません。

Style of Music

J-POP,Rock,Jazz,Rapといった音楽ジャンルだったり、Uplifting(アップビート)といった表現に関するものを指定します。日本語ももちろんOKです。
これは多くの種類があり特に決まりは無いようですが、ググってみたら

音楽のジャンルとスタイルのリスト | Suno Wiki

というSuno Wiki という便利な使い方サイトを見つけましたので、こういうところから探してみても良いと思います。

スタイルは1つに絞る必要はなく、複数のキーワードをカンマ区切りで入れる事もできます。

Persona

これは有料プランで使える機能です。
Sunoは生成するたびに歌い手が変わってしまいますが、Personaを指定することで歌い手を固定することができます。歌い手は過去生成しが楽曲から指定することができます。

ただ、私の使い方が悪いのか、歌詞を変えられてしまうことがあるので今のところ活用しきれていません。

Title

文字通りここは楽曲のタイトルですね。ここには好きなタイトルを入れておきましょう。

あとは、上の画面には載っていませんが「Create」ボタンで楽曲生成が始まります。

Suno AI のプランについて

Suno AI には無料プランと有料プラン(ProとPremier)、それぞれに月払いと年払いがあり、年払いだと20%割引という特典が付きます。

こちらは2024年11月時点の情報です。今後変わる可能性はあります。

プランに応じて使えるcredit数が違います。creditは楽曲生成のたび消費されます。
現状は1回の生成で10creditが消費され、1回の生成で2曲作られます。

無料プランでも1日50creditが付与されますから、1日で最高5回生成することができます。
5回作って creditがなくなっても、翌日になればまた5回作ることができますから、とりあえず試しに使いたい方にはこちらで十分でしょう。

アカウント作成も簡単で、Googleアカウントなど他でアカウントをお持ちであればすぐ使えるようになります。

がっつり作りたい人には有料アカウントがおすすめ

有料プランだと、credit数が増えます。つまりその日のうちに生成できる回数が増えます。

きちんと繰り返し試行錯誤しながら精度を高めていこう、とお考えであれば迷わず有料プランに入りましょう。1月$10USDですからね、時間の効率化を考えたら安いものです。

無料プランと有料プランの違い

無料プランでは前述の通り1日あたり生成可能な数が違いますが、他にもいくつか違いはあります。

  • Personaの指定をはじめとする最新機能の利用
  • 商用利用が可能
  • 追加credit購入ができる
  • 混んでいる時間帯は無料ユーザーより優先させて使わせてもらえる
  • 同時に生成可能な数が無料だと2,有料だと10までいける

個人的には、credit数の違いが一番重要で、次に最新機能によるより自由度、指定できる事の多さがポイントかな、と思っています。優先度などは、まだ使って数日ですが、あまり混んでる印象はないので今のところそれほど重要ではないですね。

また、生成した楽曲そのものを売ろうとお考えの方であれば、商用利用の部分が特に重要になるのではないかと思いますので、そこについてもうちょっと深堀したいと思います。

Suno AI で生成した楽曲の所有権や著作権について

まず、Suno AI が以下のページで所有権や著作権などの権利に対する公式見解を述べています。

Do I have the copyrights to songs I made?

英語なので日本語に翻訳するなどしてみていただきたいのですが。

要約するとこうです

  • 無料プランで作った楽曲の所有権はSunoにあります。楽曲は非営利目的に限り利用できます。
  • 有料プランで作った楽曲の所有権はあなたにあります。さらにその曲を使って収益化するための商用ライセンスが付与されます。
  • ただし、著作権保護の対象にならない可能性があります。少なくともアメリカでは生成AIで作成されたものは著作権保護の対象になりません。
  • 歌詞など自分で書いたものは、あなたに著作権があります。

少なくともSuno AI 自身はお金を払ってくれた人に対しては太っ腹な姿勢を示してくれていますね。

ただ、生成AIというところで第三者が何か言ってくる可能性はあります。なぜなら、生成AIは多くのコンテンツをもとに学習して作られたものですから、生成されたものにオリジナル(学習元となった楽曲)の要素が出てこないとは言い切れません。そこをオリジナル楽曲の著作者に何か言われる可能性がある、ということです。

これについては、Suno Wiki にも触れられていて、ここではクレーム発生時の対処方法について記載があります。

Suno AI生成音楽の著作権侵害クレームの解決方法

また、その他気になった点がいくつかあったので、それについて調べた内容をお伝えしていきます。

有料プランで作ってすぐに無料プランに移行した場合に所有権は移行するのか?

Who owns my songs after I cancel my subscription?

こちらに明確に記載されていました。

サブスクリプション中(有料プラン加入中)に作ったものは、キャンセル(解約)後も所有権は変わらないとのことです。

逆に言うと、無料プラン中に生成した楽曲は、その後有料プランに加入したとしても、その所有権はSuno AIに残り続ける、ということです。
If I subscribe, can I distribute songs from my free plan?
こちらに記載がありますね。
ここは注意が必要です。

もう1点。
生成した楽曲が有料プラン中に作ったものか、無料プラン中に作ったものかを示すためには、課金時の領収書などを控えとして保存してください、とも言ってますので、ぜひ実践しておきましょう。

商用利用(収益化)と非営利目的との違いは?

What is commercial or non-commercial use?

こちらに明確に記載されていました。

商用利用(収益化)ができるとは、つまりYoutube,Apple Music,Spotifyといった配信プラットフォームへの掲載はもちろん、収益化もできるということです。
配信プラットフォームに限らず、直接楽曲を販売することもできますし、ゲームやビデオなどそれら別メディアに付随して収益化を図ることもできる、ということです。

一方、非営利目的(非商用利用)とは、「単純に楽曲を聞く」「ダウンロードしていろんなデバイスで聞く」「友人など商取引などの関係がないところで共有する」「収益化を目的としない他のプラットフォームで音楽を利用する」と記載されていますね。
例えばFacebookやX、InstagramといったSNSやウェブサイトといった第三者がそれらコンテンツを聞く機会のあるところに掲載することが許可されている、ということでしょうか。

少しでもビジネスと関係する使い方であれば、有料プラン利用が無難

少なくとも、Suno AIはお金を払ってくれた利用者には快く所有権を渡してくれて収益化についてもOKを出しているわけですから、あれこれ細かいことを考えて無料プランで何とかやりくりしようとは思わず、素直に月$10USDを払って、その間に商用利用な楽曲を作った方がよいでしょう。あれこれ考える時間の無駄です。

私も別にこれで商売しようと思っているわけではなく、ネタとして面白いから、と掲載しているにすぎませんが。
このブログが会社、つまり商用利用で使っているウェブサイトですからね。
そう考えたら商用利用が可能な有料プランを使った方が確実だろう、と判断しすぐ契約しました(笑)。

生成AI の可能性

生成AIはまだまだ発展が期待できますね。
ただ法整備についてはまだまだ議論が必要でしょう。
とはいえ、その答えを待っていては乗り遅れてビジネスチャンスを逃すのは確実でしょう。
積極活用をあれこれ模索したいところです。

再現性のなさが生成AIの弱点

ここからは余談ですが。

生成AIの仕組みって基本は入力に対し関連しあうものを数珠繋ぎに拾い上げ紡いで出来上がるもの、という理解でして、それであればモデルが同じであれば同じ結果になるわけですが、現実にはそうはなりません。

全く同じプロンプトを入れても違う結果になるように作られています。
でもこれは意図的にやっているのでしょうね。

以前「TensorFlow」を使って機械学習モデルを作ったときに知ったのが、乱数を用いた方が学習においては都合がよい、というものです。ただ、学習が終わったモデルに対しては乱数を使わずシード(疑似乱数を作る最初の値)を固定させた方が再現性が高くなる、ということもできるわけです。でもそうしない。
その方がほどよく良いものができるからなのでしょうか?わかりませんが、理由はあるのでしょうね。
個人的には使いこなすにつれ不満になる要素ですが。

一方、LoRA(Low-Rank Adaptation)という技術を使って大規模モデルとは別のところでファインチューニングを行う方法もあるとのこと。画像生成AIのStable Diffusionではある程度再現性を実現できているそうです。

音楽生成AIというのは歴史的に見てもまだ浅く、これからさらに発展していく分野だろうと思いますので、今後の発展に期待したいところです。

もっとも、生成した音楽をどのように活用するか、というのはマーケティング、ブランディングの視点で考えていかないといけないところでしょうが、それもまた楽しみの一つですね。

IT相談役は生成AI活用にも興味があります

これを書いているわたくし齋藤は、システムエンジニア出身で今でも要件定義やビジネス企画提案、設計といったことを行っていますが、様々なITにまつわる相談事に積極的にかかわることをしています。

今回ご紹介した音楽生成AIも同じで、楽曲をどのように事業に活用させようか、という視点で日々考えています。

その際にこういったツール、サービスをどこまで活用できそうか、といったところを相談される方もいらっしゃいます。特に実装面においては長く携わってきていますから、そういうところへの回答や考察は得意中の得意です。

ビジネスオーナーのアイディアをくみ取ってどのような取り組みができるのか、ぜひ一緒に考えていきましょう。

IT相談役サービスについてはこちらをご覧ください。

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