3C分析について、1つ前の記事でもご紹介しましたが、これを5分ほどのプチセミナーでご紹介したところ、意外と好評でしたので、今回はもう少し違う視点でセミナーで説明した内容をご紹介したいと思います。
3C分析とは、競争戦略を考える仕組みです
顧客のニーズ、競合の取り組みをみて、そして自社の立ち位置を考えるというフレームワークが3C分析です。
ここで注目するのが①~④の部分。
① 顧客が求めていて、競合が提供しているもの。自社は提供していない部分ですから、「自社でもマネしたい部分」です。
② 顧客が求めているものを、競合が提供しているのはもちろんですが、自社でも提供している部分です。ここは「奪い合い」となりますから、できればここでは戦いたくないです。
③ 顧客が求めていて、自社だけが提供しているものです。いうまでもなく「自社だけの強み」です。
④ 自社にしかない特徴ですね。でも顧客は求めていません。
ここは注意が必要なところです。よく目にする失敗がここで、「私のこの商品・サービスはこういう点がすごいんです!」という人を多くみかけます。
「でも本当にそれは求められているのですか?」そう言うと嫌な顔をされたりしますが、本当に大事な点なのでしっかりお伝えします。
ここが分かれば、自ずと①を②に、④を③に移動させるにはどうすればよいだろう?
と思ってくるのではないでしょうか。
ここでのポイントは2つ。
1つ目「① 顧客に求められているけど競合にしかない部分」を、「② 自社でもマネする事で奪い合い状態にする」ためには「マネする」ことです。こうすることで、競合にとっての強みはもはや強みではなくなるのです。
2つ目「④ 自社だけの特徴だけど求められていないもの」を、「③ 顧客にとってほしいものに変える」ためには「教育する」ことです。有用性を顧客に知ってもらえたらあなただけが提供している強みになりますね。
上の2つはどちらも大事ですが、特に2つ目「③自社の強み」が出来て来れば効果は大きいでしょう。
ちなみに顧客だけが潜在的に抱えているニーズを③に引き込む、という矢印ももちろん作れますが、今回はその点については触れないでおきます。話が膨らんでしまいますので。
3C活用事例:デカフェフレーバーコーヒー通販
ここで、弊社で扱っているデカフェフレーバーコーヒーを事例にして、3C分析の活用例を上の考え方に倣って説明します。
商品開発のきっかけはコンセプトになります。
3C分析を考えるうえで土台となりますので書いておきました。
特徴も列挙しています。
これが①②③④どこに入るのかを見ていきましょう。
3C分析 最初のステップ「顧客を決める」
3C分析で最初に行う事。それは顧客を決める事で顧客のニーズをあぶりだす事です。
ここではまず顧客を「カフェインレスコーヒーを飲みたい人」と定義してみました。
その方が多く居そうですからね。
また、ミッションにある通りネット販売ですから、ネット上で調べるのが早いです。
ここではGoogle検索する人だとして、「カフェインレスコーヒーを飲みたい人」がどういうキーワードで検索をかけるかイメージします。
そうして出てきたサイトが何を特徴としてカフェインレスコーヒーを売っているのか調べるわけです。
分かったのは「安さ」「美味しさ」です。
一方、当社は「味が薄くない」「普通のコーヒーと遜色ない」を特徴にあげています。
つまり「味」という要素が自社と競合でバッティングする事が分かりますから、「味」は②です。
競合の「安さ」は自社では提供出来ない部分ですから、「安さ」は①。本当は自社でも安く売りたいんですけどね。。良い豆を使っていますから、どうしても原価が高くなる、という問題があります。
まだ見る点はあります。
それは「フレーバー」「カフェイン除去率」という特徴です。
これについては競合では触れていません。
探せば見つかるかもしれませんが、それを言い始めると競合とどう勝負するか、という目的から脱線するため今回は考えないこととします。
重要なのは、「フレーバー」「カフェイン除去率」についてはそもそも求められていない、という事です。
このようにみていくと③「自社だけの強み」がありませんからNGです。
元をたどると「想定顧客を間違えた」という事です。
3C分析 最初のステップ「顧客を決める」に再度トライ
想定顧客を変えてみましょう。
どちらかというと、「変える」というよりは「絞る」事をしましょう。
その方が単純に競合が減るから勝負しやすいのです。
改めて「商品開発のきっかけ」に立ち返り考えた想定顧客はこうです。
「妊娠中・授乳中でコーヒーを飲みたい人」
どういう変化が起きたでしょう?
まず顧客が求めているのは安心安全であることは明確です。
え?どうして明確か?
妊娠中授乳中の人に聞けばわかります😊その人たちがそういっていますから、そうなのです。
ここも重要なポイントです。売り手がどう思っているかは関係ない、という事です。
話をもどします。
安心安全という事はカフェイン除去率をアピールできます。なぜならここまでの除去率を謳っているカフェインレスコーヒーはなかなか見つからないからです。
ですから「カフェイン除去率」は③に入りました。
これで強みが生まれました!
ただ、妊娠中授乳中の人たちは「手軽さ」も求めていて、それは競合のアピールポイントに入っていました。
コーヒーで「手軽さ」とは何かというと、「ドリップバッグ」です。
当時、私たちのデカフェフレーバーコーヒーは200gのレギュラーコーヒーパッケージしかありませんでした。ドリップバッグは無かったのです。
なぜドリップバッグが無かったのか?
製造コストがかかるからです。
ドリップバッグ製造は最小ロット数が1,000ですから、製造コストはもちろんのこと、当時としては大量の在庫でした。
しかもフレーバーコーヒーとしてラインナップが6つありましたから、単純計算で6,000個の在庫が必要なのです。
自社の課題が一つ明確になりましたね。
そこで、それを解決するために次の取り組みを行いました。
クラウドファンディングでドリップバッグ制作の資金集め
この記事を書く2年前の話ですが、実際にクラウドファンディングを行い、無事目標達成することができました。
これにより、ドリップバッグ製造に必要な資金と販売先の大半を確保する事ができました。
3C分析ではどうなったか?
ドリップバッグ化による「手軽さ」という①競合のみが提供していたニーズを、自社でもマネできるようになりました。値段面でもクラウドファンディングのおかげで競合と遜色ない価格にすることができました。
「手軽さ」はもはや競合だけの強みではありません。②に引きずり込む事が出来ました。
あとは④「フレーバー素材入りのフレーバーコーヒー」という特徴ですね。
ここに対しては、顧客への「教育」がポイントになります。
そこで行ったのが「6種類のお試しセット」提供です。
ドリップバッグ化でお試しセットの提供が出来るようになりました。
教育といってもタダで配り続けるという事はしません。
しっかりお金を払ってもらいます。
ただ、買ってくれた人にお得感を得てもらうために、通常より割り引いた価格で提供したわけです。
利益はもちろん減りますが、お客様にとってもメリットを感じてもらえるわけですから、手にしてもらう機会が増えたのはお互いにとってメリットです。
実際に商品を試してもらう事でお客様は理解を深めることが出来たわけですから、教育がここで成立します。
そのうえで気に入ってもらえたらリピートしてもらえます。
④を③にもっていく方法は色々あると思いますが、私はお試しセットという商品を作る事で1つ課題を解決しました。
3C分析のまとめ
赤色のところに注力しましょう。
自社だけの強みをいかにして作るか、そして競合の強みを強みでなくするか、というのがポイントです。
お問い合わせ、ご相談を受け付けております
3C分析について、自社通販の取り組みを実例として説明してみました。
現実にはこんなうまくは行かず、途中なんども行ったり来たりを繰り返していました。
しかしながら、これから3C分析を活用してみよう、という方には自分でいうのも変ですが、実例もあり分かりやすくお伝えできたかな、と思っております。
これはtoC向けサービスに限らず、 toB向けサービスについても応用できます。
また、この考えは SEO対策でも使っている考え方です。
ぜひあなたたちのビジネスにもこの3C分析を活用していただいたいです。
とはいえ、一人で考えるとなかなか俯瞰できず客観的な判断ができなくなりますから、その場合は壁打ち相手としての聞き手がいると良いでしょう。
そこで、「IT相談役」というサービスを行っています。
単なる相談事、というよりはマーケティングに関する教育も含みますが、こういった事も対象にしております。
初回のお問い合わせ、ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。